秋になると多いメンタルの不調
中医学では季節によって体の弱る部位が変化すると考えられています。
秋の前半の頃は夏の疲れが発生すると言われており、具体的には胃腸(脾)の不調です。
胃腸の不調…と聞くと胃もたれや食欲不振が思い浮かぶ方が多いと思いますが、中医学では上記の症状以外にメンタルの不調も胃腸の不調と考えることがあります。
なぜ胃腸の不調からメンタル影響が出るのかを簡単にご説明させていただきますね。
夏場の暑い日に冷たいものをガブガブ飲む、気分がはっちゃけて暴飲暴食をする。
これらの行動で胃腸が疲れて胃腸機能が低下してしまいます。
胃腸機能が低下すれば、水分代謝がスムーズに行われなくなり「痰(たん)」という病理産物が形成されます。
痰は皆様が知ってるあの痰です。口から「カーッペッ!」とおじさんが吐き出すあの痰です。
しかし、中医学にはもう一つの痰があります。それは「無形の痰(むけいのたん)」です。
何だか奥義っぽい名前ですよね。
奥義、ムケイノタン、カーッペッ!!
汚いですね。
無形の痰は、皆様が知っているあの痰のように吐き出すことはできません。水分代謝の異常で発生し、体内をグルグル巡っていると考えられていますので、目で確認することはできません(体内を透しできるという変わった人は別ですが…)。
だから無形の痰です。
この痰は体内のアチコチを巡りますので、細い通路を塞いでしまうことがあります。そして運が悪いことにココロ(心)に詰まってしまうことがあります。
古代の人間はココロには小さな穴が開いていると考えていました。
そのココロの穴は外界の人々とスムーズに意思を疎通させるために存在しています。
したがって、ココロの穴を痰がふさぐと意思の疎通ができなくなります。
このことを現代の人は「気持ちがふさいでいる」と表現しております。
そんな気持ちがふさいでしまった人は胃腸を元気にして痰は消すことが大切です。具体的には飲食する時はなるべく温かいものを摂取する。温かいものを摂取すれば、痰が溶けやすくなります。そして油っこい食べ物、甘いもの、味の濃いものを控えましょう。これらの食物は痰を作ります。
また、痰を除去すると考えられている食物は玄米、こんにゃく、里芋、えのき、かぼちゃ、生姜、大根、たまねぎ、なめこ、にんにく、梅、梨、びわ、アーモンド、アサリ、昆布、のり、もずく等です。
何だか気持ちがふさいでるな…と思ったら上記のことを試してみてください。
そして、これらを1ヶ月実践しても改善されない場合は早めに漢方薬局にご相談くださいね!
(登録販売者:中神洋和)