夏は、春から伸びてきた陽気が、さらに外へ外へと伸びる時期。
外の気温はもちろんのこと、身体も「陽気」が旺盛になり、活動的な気分になります。
新緑が映える季節。
お祭りや花火、海水浴やキャンプなど、屋外のイベントもオンシーズン!って感じです。

漢方では
・遅く寝ても朝は早く起きる
・日光を嫌がらず、汗をかいて熱を発散する
・怒らず気持ちを爽快にさせ、心の機能をよくさせる
このような過ごし方が夏のよい養生であると、黄帝内経(こうていだいけい)に書かれております。
とはいえ、これが書かれたのは紀元前。。。
今は真夏、昼間は外出を控えましょうと言われる時代です。
また、空調設備が普及して、逆に冷えに対する対策が必要な場面もあります。
「外の暑さ」と「室内の冷え」、その温度差に自律神経も乱れて。。。
冷たいスイーツやかき氷も簡単に手に入り、いつでも食べられるので、お腹をこわし、胃腸炎も増えてくる。。。
現代ならでは。
つまり、
夏の養生のポイントは
「陽気を傷つけないこと」と「身体の熱を上手に冷ます」ことではないかと思うのです。
陽気を傷つけないためには・・・
・早起き
→太陽が出ている時間が長くなるのに伴って、私達も活動時間も長めがよいとされています。
・冷たい温度の食べ物、飲み物を摂り過ぎない
→ビール、アイス、かき氷などで、胃腸を冷やさない
・冷房のきき過ぎには注意して、ひざ掛けやストールなどを持ち歩く
→最近冷えすぎの所が多いです。注意。
身体の熱を上手に冷ますには・・・
・適度に発汗する
→身体の熱を冷ますために程度な発汗は大切。
・怒らない、ストレスを抱えない
→身体に熱をこもらせる原因です。
・清熱作用のある飲食物をとる
→スイカ、メロン、ゴーヤ、緑茶、冷やし中華は暑い季節にオススメです。
・水分だけでなく、ミネラルも補給する
→汗をかくと水分と一緒にミネラルも失われるのはもう定着してきました。
水を飲むだけでは水分補給になりません!細胞の中の熱を冷ますためにも、ミネラル補給は必須!

また、漢方では「冬病夏治:とうびょうかち」という考え方があります。
冬の病は夏に治す、という意味です。
冬に体調を崩しやすい、冷えが辛くなる方は、夏にしっかりと陽気を養っておく必要があります。
夏の過ごし方で先の季節の体調が変わる。
未来の身体は今生活の延長なのですね。
体質によってもオススメの養生が変わる場合もございますので、気になる方はご相談にいらしてくださいね。
皆様、よい夏をお過ごしください。
樋口